保育と教育のこれから-塩原祥暁

現場から見た保育や教育の現状、子どもの姿、親の育児不安・・・ そしてこれからの 保育と教育の在り方について書いていきたいと思います

2016年10月

男性保育者の語り場

男性保育士の必要性というテーマで学生が研究を始めました。
現役の先生方にも辞められた方にもアンケート形式で答えてもらいました。
ご協力いただきありがとうございました。
これは、恐らく男性だからこその悩みや葛藤がうきぼりになり、社会からの目、保護者からの目、いろいろ感じていることが記載されていました。

そこで、男性保育士の勉強会…なんだか面白そうだなと。
少し準備を始めます。鍋でも囲みながら意見を交わせばまた新たな発見もできそうです。image

認知力

絵や形を見たときに、同じ箇所や違う箇所を探す認知力は幼児期では難しい課題の1つです。

恐らくその難しさは何となく全体を見てしまい、細かい部分を見ていないからだと思います。また、認知機能がまだまだ発達途上なのではと感じています。

だからこそ、発見力、洞察力、観察力を生活の中で育てていく必要があります。

似ているもの、違うところ、全体を何となく見るのではなく、注意深く見る習慣をつけていくと良いと思います。
まちがいさがしのようなものは、練習になります。
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間違える勇気

先日、レッスン中に間違えて泣いてしまう子がいました。
そのまま泣き続けていましたので、「続きをやるかやらないか自分で決めてください」と一言。
状況がわからないでしょうから、これを読んだだけでは「冷たい」とか「それはない」などといろいろな感想を持たれると思います。
これだけは誤解がないようにしておきますが、間違えてはいけないとは言っていません。むしろ、私は間違うことこそ必要だと思っているからです。
成功体験は大事です。しかし、人生でいつも成功するなどあり得ないと思っています。
誉めて育てるも大切です。誉めて育てた結果、叱られた経験のない人は大人になってどうしていますか。ということです。マイナス経験こそ幼児期にするべきです。どちらかに片寄らないバランス。この感覚と感性は大人が持ち続けて磨くべき課題です。image

自分で課題を見つけられるように

情報量が溢れる一方で、何を信じて選択するか問われる場面は生活の中で必ず訪れます。
そして、今ね若者世代に接していて感じることは、与えられなければ何をして、どうするべきかという問題解決ができないことです。
そして、答えが決まっていないものに対する抵抗感を感じます。

何をしてどのような手順を踏むか…

この思考過程が社会では大切だと思うのですが、自分で発見する喜びを感じられなかったり、最後までやり遂げた経験が希薄だと問題解決の力は低いように感じます。

その力は幼児期の習い事で身に付くように思います。以前親と子に別れて、説得対決という課題をしたことがあります。子は「辞めたい」親は「辞めさせない」というテーマでどちらが説得して納得させるかということです。

社会は「合わない」だらけです。その中で何かひとつのことをやり遂げる、続ける経験は得ておきたいものです。image

子どもとの我慢比べ

子どもだって今日は気持ちがのならないとか今日は行きたくないというときもありますね。大人だってあります。行きたくないなぁってときが。
私は行きたくないという子に対して「今だ」というタイミングで声をかけます。それまでは保護者と子どものやりとりを見ています。行かせようとする親の気持ちとは裏腹に子どもは気持ちが向かない…。お互い反発し合うので、そう簡単にいきません。

私の声を掛けるタイミングも自分の感覚的なものなので、根拠はないです。

そして大事なのは子どもは一回行かないと決めて泣きじゃくると、自分で「行く」という判断はできないです。意固地になります。そんなときに、腫れ物をさわるかのように優しい言葉は掛けません。どちらかというと突き放します。それには理由があります。冷静な判断をさせることと、切り替えるきっかけを与えることです。大概ほったらかしておいて、感覚的なタイミングで声をかけると素直に教室に入ってきます。ほったらかしにされると、子どもは「おや?」となります。「あれ?なんで気にしてくれないの?」と。そこが我慢比べです。かわいそうと思うか、ほったらかしておくかです。これは子どもとの真剣勝負です。

そして、ひとつ。よく、幼稚園や保育園の門で「行く」「行かない」のやりとりは あります。行かせようとすると、子どもを引っ張る人がいます。それに反発して子どもは当然引っ張り返します。そうではなくて、子どもの後ろに立ち子どもを前にして同じ方向に進むようにします。連れていかれる意識を一緒に向かう意識にしてあげるだけで随分違います。
幼稚園勤務時代に門に立ち続け子どもと保護者の分離の様子を何百組と見てきた結果です。image

地域教育会議

10月5日川崎市の長沢地区にて地域教育会議というものに参加させてもらいました。2つの小学校、1つの中学校合計3校のPTAや教職員が参加されて行われていました。
来る11月3日に行われるたぬきフェスティバルに向けての会議と地域の取り組みの報告がありました。
初めて参加して、こどもたちのためにここまで地域と保護者と教職員が団結しているところが他にもあるのだろうか…。この地域にある教育熱は何なのかと思いました。この取り組みが他の地域でも行えたら…。行うには…。参加しながらそんなことを考えていました。image
About
塩原祥暁
1981年7月18日生まれ

国立小学校受験向けの幼児教室を都内で開く。保育士を目指す学生たちにも教鞭を執る。
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